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絶対に読みたいと思っていた作品。
やっと読むことができましたv


以下、その書評のようなもの。


近現代中国史のタブーに迫り、
その衝撃的な内容から、
世界的なセンセーションを巻き起こした
ノン・フィクション作品『ワイルド スワン』

その著者ユン・チアン氏が10余年振りに、
満を持して発表した作品が本書です。

ちなみに、本著は、チアン氏の旦那様との共著。


前作『ワイルド スワン』を上梓後、
“次回作は…?”という問いに対し、
チアン氏は、「次は毛沢東伝を書きたい」という旨を
答えていたそうです。

それから、10余年をかけての徹底的な取材と調査の末、
ついに上梓された本書。

前作は、近代~現代における中国の実態を、
祖母、母、そして著者自身の実体験をもとに、
いわば庶民の視点から描いていました。

それに対して、本書は、同時代における
中国の権力の上層部がどうなっていたのか…
そして、その頂点に君臨した毛沢東の虚像と実像が
綿密に描かれています。

前作が、下から見た中国現代史であるなら、
本書は、上から見た中国現代史といった感じ。


ただし、その視点に違いはあるものの、
前作に全く負けず劣らないほどに、内容は衝撃的(…過ぎ)。

前作を超える…かも。


10億人をはるかに超える人口を抱える“中華人民共和国”。
その建国の父、毛沢東。

“革命家”と称され、時に“哲学者”と称され、
さらには“偉人”、あるいは“聖人”視さえされてきた毛沢東。

しかし、彼が(特に中国政府・国内で)喧伝さているほどに、
完全無欠の聖人君主ではなかったことを指摘する文献や証言が、
近年においては、散見できるようになってきました。

とは言え、これほどまでに、綿密な取材にもとづいて毛沢東に
真っ向から批判を加えた著書は、稀有だと思います。

毛沢東は、聖人君主どころか、
むしろ冷酷無比で、強権的な独裁者だったのではないか…

そんな問いを投げかける作品です。

少しでも興味のある人は、読んで損はない作品だと思います。


ただ、とりあえず分厚いッ!!っす。
電車で読むには、不向きかも…。




~こんな人に、特にお薦め~

『ワイルド スワン』に感銘を受けた人、中国に興味のある人、
近現代史に興味のある人、政治に興味のある人、
一冊くらいはちゃんとした本を読んどきたい大学生…
その他の皆様へ、推薦します。



ユン・チアン/ジョン・ハリディ[2005]『マオ 誰も知らなかった毛沢東 上』講談社
ユン・チアン/ジョン・ハリディ[2005]『マオ 誰も知らなかった毛沢東 下』講談社
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高校生の時に一度、読んだのですが、
とっても衝撃を受けたことを憶えています。

そして、気づけば、、約10年が経ち、、、
その衝撃を受けた記憶と
おおざっぱ(…過ぎる)内容を
憶えているくらいで。

いつか読み返そうと思ってはいたものの、
本棚に並べられたまま。


埃をかぶった状態だったのだけど、
著者のユン・チアンさんによる『マオ』という新作が発売された…
というニュースを聞き、いい機会だから、
と思い、その新作に飛びつく前に、
“記憶の中の大作”を再び読んでみました。


現代中国史をノン・フィクションで綴った作品。
改めて、衝撃を受ける作品でした。

世界的なベスト・セラーになったのも、当然と思える作品です。
これも、改めて。


但し、文章が直訳っぽくて、
しかも内容も重いので…
ちょっと読み続けるのに、苦しいところもあります。。


さてさて、肝心の内容ですが、、

著者自身と著者の母、祖母が3代に渡って、
騒乱と混乱に満ちた激動の時代を生き抜いた姿が語られています。

暦で言えば、1909年~1978年までの出来事。
時代背景としては、日本の占領下から、
国共内戦、共産党の台頭、大躍進、
そして、文化大革命が終結するまでの
時代が描かれています。

表向きには知られることのない、
混沌と混乱に満ちた中国現代史の
激烈ぶりに驚かされます。


ほんのちょっと前までの中国がこんな一面をもっていたのか、、
と、にわかには信じられないほどです。

そして、こういう歴史が表にでてこない、
あるいは、その一部分しか公にされることのない…
“今”の中国の政治社会体制のあり様についても、
改めて、考えさせられてしまう作品です。



ユン・チアン(土屋京子訳)[1998]『ワイルド・スワン (上)』講談社文庫。
ユン・チアン(土屋京子訳)[1998]『ワイルド・スワン (中)』講談社文庫。
ユン・チアン(土屋京子訳)[1998]『ワイルド・スワン (下)』講談社文庫。

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