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山口二郎[2005]『ブレア時代のイギリス』岩波新書。
1997年のイギリス総選挙において、
地滑り的な大勝を収め、
今日に続く労働党・ブレア政権。
その労働党・ブレア政権下における
イギリスの社会状況を、政治経済分野での動向を中心に、
端的だけど、充実した内容で
まとめた良著だと思う。
特に、政治面における記述が、興味深かったです。
選挙制度そのものについて、つまり、
小選挙区制の特徴など、改めて考えさせらるところが多々あった。
やっぱり、政治の根幹は選挙だな…なんてことを思ったりさせられました。
そして、選挙を伝えるメディアの姿勢。
これの重要性についても、改めて。
それと、印象深かったのは、ブレアに象徴される「政治の人格化」という分析ついて。
メディア時代における政治の分析として、これは実に的を得ていると思いました。
それは、一体、どういうこと!?と思った人は、是非、読んでみてください(笑)。
さて、本著は、森嶋通夫[1988]『サッチャー時代のイギリス』岩波新書、と併せて読むと、
近年のイギリスの政治経済をより一層、
興味深く読み解くことができると思われます。
著者自身も、森嶋通夫[1988]の続編たることを意識して、
本書を上梓したことを、あとがきで述べています。
但し、(あくまで、以下は完全に私見だけど…)森嶋通夫[1988]が経済政策という視点から主に論じているのに対し、
本著は政治面からの切り口が中心となっていると思われます。
両氏の研究分野の違いということを考えれば、当然といえば当然のことだけど。
【関連文献】既読&新書&直ぐ手許にあったもの…
森嶋通夫[1988]『サッチャー時代のイギリス』岩波新書
船場正富[1998]『ブレアのイギリス 福祉のニューディールと新産業主義』PHP新書。
山口二郎[1998]『イギリスの政治 日本の政治』岩波新書。
…今回はちょっと堅気な内容でした。以上(^o^)ノシ